Aug 202012
 

世界初※1、発振波長530nm帯で100mW以上の光出力を有する純緑色半導体レーザーを開発
~従来の窒化ガリウム系緑色レーザーに比べて、約2倍の高輝度※2を実現~

住友電気工業株式会社(以下「住友電工」)とソニー株式会社(以下「ソニー」)は、レーザープロジェクターなどの映像表示デバイスに応用できる、発振波長530nm帯で100mW以上の光出力を有する純緑色半導体レーザーの開発に世界で初めて※1成功しました。今回開発した純緑色半導体レーザーは、従来の窒化ガリウム系緑色レーザーと比べて、約2倍※2の高輝度を実現しました。高輝度化とNTSC比182%(CIE 1976)※3の広色域化を実現したことで、鮮やかで美しい映像を描き出すレーザープロジェクターなどの映像表示デバイスへの搭載が期待されます。

現在、光の三原色(赤・緑・青)の光源として、赤色と青色の半導体レーザーは量産化されていますが、今後はレーザープロジェクターなどの映像表示デバイスの高性能化に向けて、高出力の緑色半導体レーザーの開発が期待されています。現在、緑色については、赤外光を光学素子により波長変換したレーザーが主に用いられていますが、光源が大型かつ高価であるという課題がありました。また、従来の窒化ガリウム系材料を用いた緑色レーザーは、発振波長が520nm以下で光出力も数十mW以下に限定されているため、充分な輝度が確保できませんでした。

住友電工とソニーは、純緑色の半導体レーザーを実用化するために、住友電工がこれまで開発してきた半極性窒化ガリウム基板と結晶成長・加工技術、ソニーがブルーレイなどで培った窒化ガリウム系レーザー技術を生かして共同開発を進めてきました。両社で構造設計、結晶成長、加工、電極など半導体レーザーに関わる全てのプロセスに新規技術導入ならびに技術改良を加えた結果、発振波長530nm帯で100mW以上の光出力を有する純緑色半導体レーザーの開発に成功しました。今回開発した純緑色半導体レーザーは、光電変換効率8%以上を実現し、高信頼性を確保しています。

今回、高出力の純緑色半導体レーザーを開発したことで、光の三原色(赤・緑・青)レーザー光源が揃うことになり、高輝度と広色域を実現するレーザープロジェクターや小型・軽量・低消費電力を生かした携帯型レーザープロジェクターなど、幅広い用途への活用が期待されます。住友電工とソニーは、純緑色半導体レーザーのさらなる高出力化と高効率化、高品質化を目指し、引き続き開発を進めていきます。
※1:2012年6月21日広報発表時点
※2:窒化ガリウム系材料を用いた波長520nm以下で光出力60mW以下の半導体レーザーと比較した場合
※3:NTSC比は、今回開発した純緑色半導体レーザーと既存の赤色、青色半導体レーザーを組み合わせた場合

■主な開発内容
住友電工とソニーは、半極性窒化ガリウム基板を採用し、構造設計、結晶成長、加工、電極などの半導体レーザーに関わる全てのプロセスに新規技術導入ならびに技術改良を加えた結果、世界初※1の発振波長530nm帯で100mW以上の光出力を有する純緑色半導体レーザーの開発に成功しました。

高品質な発光層の結晶成長を実現
従来の窒化ガリウム結晶のc面に対して75度の傾きを有する半極性窒化ガリウム基板(半極性{2021}面)を用いることにより、530nm帯で必要となる高インジウム(In)組成の発光層を均一かつ安定的に作製することが可能となり、高品質な発光層の結晶成長を実現しました。

光電変換効率8%以上を実現
窒化ガリウム系材料は、結晶構造の歪みにより生じた圧電分極などによって発生する内部電界の影響で、緑色領域での発光効率が低下します。半極性窒化ガリウム基板の採用により内部電界の抑制が可能となりますが、実用化にはこの窒化ガリウム半極性結晶面に適した構造設計、結晶成長、加工、電極などが必要でした。本開発では、レーザー構造の最適化、結晶内の不純物制御、電極の低抵抗化などにより、レーザーの駆動電流、電圧の低減に成功し発振波長530nm帯で100mW以上の光出力、光電変換効率8%以上を実現しました。

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